このエコシステムは一体 ・・・ |
日中はコレージュ・ド・フランスでのお話を聞き、その内容を反芻しながら過ごす。われわれの体は体細胞数の10倍にも及ぶ微生物を抱えている。微生物の種類は1000、あるいは1万~3万とも言われる。したがって、この体は微生物との共同体と言ってもよい。体自体が外界の環境を抱えているという意味では、われわれ自身がエコシステムであると考えてもよいだろう。
われわれと微生物との関係には、相互に利益を得ているために最初から一緒にいるものから、排除の対象でしかない微生物まである。最初から一緒にいるなどという場合には、そこには歴史が絡んでいることが想像される。長い進化の過程でお互いがお互いを必要とした経緯があるはずである。さらに、われわれの体は一体どのようにして同じ異物である微生物の中から役に立つものを許し、害になるものを排除しているのだろうか。興味は尽きない。
帰りにリブレリー数軒を巡り、心の赴くままに5-6冊仕入れていた。あまりにも幅が広いので、いつその中に入ることができるのかわからない。ただ、その著者の発する「気」のようなものを部屋に放っておきたいだけなのかもしれない。夜は静かに、これからのプロジェの取っ掛かりをどうするかについて思いを巡らせていた。