クラクフ八日目、リシャルト・カプシチンスキ、そしてマソリット書店 Ryszard Kapuściński / Massolit |

軽いお仕事の後にデジュネを取り、いつもの通り旧市街を散策へ。これまで気づかなかった本屋さんを見つける。年配の女主人は土地の主という感じで貫禄がある。男性店員に壁に貼ってある写真の撮影を許可してもらう。今日の写真の主を聞いてみると、リシャルト・カプシチンスキ (Ryszard Kapuściński: ファースト・ネームは英語のリチャードに当たる) という有名な作家とのこと。ジャーナリストとして海外、特にアフリカ諸国 (ガーナ、ナイジェリア、ウガンダ、タンザニア、エチオピアなど)、中南米 (チリ、ボリビアなど)、中東などの紛争地域の取材をしている。2年前に74歳で亡くなっている。晴れやかなお顔が印象に残った。
ポーランド語はまだなので英語の本はないか聞いてみたところ、「私のアフリカ生活」 という副題のついた “The Shadow of the Sun” と1964年にポーランド・プレス・エージェンシーからただ一人の海外特派員に指名され、その後10年間で15カ国を巡った記録 “The Soccer War” という2冊を紹介される。他にないか聞いてみると、棚にある20冊程度だけなので、ここに行ってみては、と言ってカフェ付きの英語の本屋さんを紹介してくれた。まだひとの手触りが残っているお店であった。

紹介されたところに向かったが、この写真のように気をつけていないと見逃しそうな外の作りになっている。実際のところ、最初は気付かずに横を通り過ぎていた。中に入るとカフェとは言っても入口すぐの狭いところに7-8人が座れる程度の薄暗い空間。その周りに古本が置かれてあるだけなので確かめたところ、奥の扉を開けて進むと新しい本が置いてあるという。店員さんも不思議な雰囲気を持っている。

確かに表示があるのでこの扉を開けると、、

このように確かに本が両側に置かれてある。どうも普通のアパートを本屋さんに改造したようである。そのため家庭的で懐かしくも不思議な雰囲気が漂っている。日本から直接来た場合にはもっと喜んでいたかも知れない。中はこんな感じである。





奥の部屋にお店の案内図が置いてあったのでいただいてきた。一度入ってしまうとその雰囲気に慣れるだろう。こちらに来て最初に出会ったアダム・ザガイェフスキさん (Adam Zagajewski、1945年6月21日-) のエッセイ集 “Another Beauty” が目に入ってきた。スーザン・ソンタグ (Susan Sontag; 16 janvier 1933 - 28 décembre 2004) さんが序を書いている2002年版である。感性から言うと、こちらで出会った人の中ではザガイェフスキさんが一番近いように感じる。今のところは。

今日は先週の疲れを癒す休息日であり、新たな日常に戻るための準備の日のように感じていた。抑制する心が少しだけ戻ってきたようである。


