杉山杉風、柏木如亭 Sugiyama Sanpu et Kashiwagi Jotei |
昨日、俳句に打ち込んでいるクリスさんから仏版ブログにコメントがあった。その中に、俳人の杉風を知っていますかという質問が添えられていた。残念ながら初めての人だったので、ネットで少し調べてみた。
杉山杉風(さんぷう、1647-1732)は江戸前期の俳人。通称、藤左衛門、市兵衛。号を採荼庵(さいとあん)と言った。彼は芭蕉門下十哲の一人であり、幕府とも交渉があった魚問屋鯉屋の主人で成功していたため、芭蕉のために家を建てたり、経済的支援を惜しまなかった。最後まで芭蕉には忠実な弟子であったようだ。面白いことに、彼の末裔が栃木市倭町に平成17年夏までホテル鯉保(こいやす)を経営していた山口家で、その長女が女優の山口智子さんとのこと。そんなような話はいつか聞いたような気もするが、杉風が頭に入っていないと何の意味も成さない情報なので、右から左だったのだろう。これは余談だが、クリスさんは私より山口智子さんのことを知っていたので驚いた。
紹介サイト(肖像画あり)
別のサイトで紹介されていた句をいくつか。
馬の頬(つら)押しのけつむや菫草
きのふ今朝足の早さよ若菜売り
川沿ひの畠をありく月夜哉
がっくりとぬけそむる歯や秋の風
野の露に汚れし足を洗いけり
すっと来て袖に入りたる蛍哉
朝顔のその日その日の花の出来
空も地もひとつになりぬ五月雨
五月雨やながう預かる紙づつみ
それから、日本の新聞の書評で柏木如亭(1763-1819)という江戸時代の詩人の本 「訳注聯珠詩格(れんじゅしかく)」が紹介されていた。とにかく破天荒な人生を歩んだ人のようだ。「詩と女と食を愛しすぎたために下級幕臣の地位を辞し、漂泊漢詩人として処々を行脚し、結局は京都で窮死した」 との解説がある。他にも 「詩本草」という食に関する本も書いている。その人生とともに興味が湧いている。
もうひとつ本に関連して、岩波新書が創刊70周年を記念して復刊書を出すという。
読んでみたい本が何冊か見つかった。
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夕方、と言っても9時半くらいになるが、いつものセーヌを見に散策に出る。
今日の川面はとろけるような滑らかなたゆたいを見せている。
空には5-6機が 夕焼けの飛行機雲を残して進んでいる。
これまで他の町の空をじっくり見たことはないが
これはパリに特徴的なのではないか、と思っているのだが、、
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mercredi 29 juillet 2015
こちらに来た最初の内はフランス語の中に埋もれていた。ここ1-2年はその中に英語が大っぴらに出てきて、今は仕事のために英語中心になっている。さらに、今年の初めまで書いていた日本語のエッセイも中断している。日本語に触れるのは、この場のようなネットの上だけになっている。ということで、日本語に対する感受性が著しく下がってきたように感じる。この記事を読み、そのことを確認した。