リュック・フェリーの 「反画一主義者」 を読み始める Luc Ferry "L'anticonformiste" |
今日はゆっくりと過ごす。先日の散策で見つけ、恐らくそのタイトルに惹かれて手に入れることになったリュック・フェリーの 「反画一主義者」 を読み始める。自伝的対談本で読みやすい。彼は2002年から2年間、国民教育相をやっているが、所謂インテリの家庭の出ではないので、いつも遠くへ来たという感覚を持っている。エリート校に進むようになり、そこで見られる盲従(servilité)によるテロリズム、画一主義(conformisme)による暴力の怖さを感じる。Mai 68 でも同様のことを彼は感じたようだ。精神の自由はどこにあるのか、と叫ぶ。孤独を癒すかのように向かったドイツで、他人と同じようにする必要など何もないことを感じる。それは丁度、デカルトが学校をやめ、偏見を捨て自分の頭で考えるため世界という本を読んだことに重なると考えている。そのドイツに向かったのは、大学の尊敬するドイツ人教授の言葉によるところだ大きかったという。その言葉とは、「フランスに留まってもここでは何もすることがありません。ドイツに行き、ドイツ語を学びなさい。哲学の何たるかはそこにあります」。
ハイデルベルグ大学での学生生活は、比較にならないながら昔を思い出させるところもあり、興味深く読む。彼の野心はハイデッガー、フロイト、ヘーゲル、カント、ニーチェの全作品を読むという壮大なもの。21―23歳までの2年間は充実したものだった様子が伝わってくる。