Le Nouvel Observateur のエッセイから |

昨年その様子を見ているのでどうしてもという気分ではなかったが、午後からサロン・デュ・リーヴル2011 に向かう。ところがメトロが非常に混んでいる。少し待ってやっと乗ることができた。会場に向かうと予想通り混雑しているので、あっさり止めにしてあたりを散策することにした。いつものように適当なところで休み、暫く読み、また歩くという繰り返し。途中に入ったプレスで雑誌を見ると、いずれも日本の風景が表紙に来ている。今日は Le Nouvel Observateur (ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール)に手が伸びた。
今回の出来事から何を学ぶべきか、という考察がいくつかあった。一人はジャン・クロード・ギユボーさん(Jean-Claude Guillebaud, né à Alger en 1944)。まず、あれだけの未曾有の災害にもかかわらず人々が落ち着いていることに驚き、その理由を推測している。その結果、社会を構成するメンバー間の結びつきの強さ(cohésion sociale)がそこにあるのではないかと見ている。この社会の結び付きこそ国のダイナミズムを保証するものだと彼は考えている。翻ってフランスの社会について見直してみると、ある限定された条件の下でしか国のモラルが存在しないと見ている。その理由として、社会の正義が最小限しか認められないこと、それから大衆を蔑視し、その資格に値しないエリートの存在を挙げ、これらが市民意識(civisme)を腐食していると考えている。
もう一人は、科学と進歩の信奉者であったローラン・ジョフランさん(Laurent Joffrin, né le 30 juin 1952 à Vincennes)。今回のカタストロフでわれわれのすべての確信がぐらついている。日本も原子力は安全だとしてこれまで通してきたが、すべての公式発表に疑義が出ている。権力側は科学と理性の言葉をこれからも使ってくるだろう。しかし、それがうまくいかなかった時、代償を払うのは集団のメンバーである。今や解決法は一つしかない。それは、まず国民を巻き込んだ大論争を始め、その上で国民投票を行うことである、と結んでいる。


