フランス語学校の第一週を振り返れば |

フランス語の1週間が終わった。毎日朝早く起き7階まで上がり、ハイペースで進む密度の濃い話を聞いていたためか、これまでに感じたことのない疲労感がある。前回は夜に週2-3回だったが、今回は毎日。しかも、少し調べないとできない宿題が出ることも関係あるだろう。
ハードな時間の中、5年ほど前にこちらに来た時の記憶が蘇っていた。その時は少しまじめにフランス語をやりましょうかと考えていた時期で、1週間だけ学校に通った。私の中での感覚は、フランス語が洪水のように襲ってきて完全に溺れているというものであった。流暢なフランス語を話すブラジル人を見て、どうして学校に来ているのか不思議だったことも思い出す。
今回のクールもそれに近い感覚があるが、何かが大きく違う。それは簡単に言えば、慣れに因っていると思われる。洪水の状況を客観的に見ることができている。5年前に流暢に話しているように見えた人にも発音に癖があり、間違いもあっただろうことが想像できるようになっている。そうすると、外国人が外国語を学ぶ時にどこに目標を据えるのかという問題に改めて向かい合わざるを得なくなる。
今回、新たに気付いたことがいくつかある。一つは、語彙が圧倒的不足していること。二つ目は、文法の綾をこれほど知らなければ、今まで誤りの多い文章を書いてきたに違いないこと。このことに関連するが、先生がフランス語の上級者という言葉に込めている意味には、フランス語の規則を知り尽くした人というニュアンスがあることを感じた。言うまでもないが、今はそこに向けての歩みになるのだが。第三は、先日触れたばかりの発音のいい加減さ。そして第四は当たり前のことだが、クールではすべてをフランス語で説明しなければならないので仏仏辞典が不可欠になるということだろうか。これは語彙を増やすためにも有効である。今回、今まで寝ていたポケット版が生き返ってきて手離すことができなくなるという嬉しい経験をしている。
そこで外国人が目指す外国語に戻ると、この一週間で気付いたことを如何に克服するかに尽きるように思う。これを地道に克服していく過程で、しっかりした外国語が体の中に根付くのではないだろうか。最初から表面上の流暢さを求めるのではなく、無味乾燥に見える言葉の規則、言葉の持つ音に戻ることこそ外国語の真髄に迫る王道なのかもしれない。これまでは軽い遊び心でずーっとやってきたが、今回初めて基本に還ることの大切さに気付かせてくれた。予想もしなかった貴重な第一週となった。


