「事を丁寧に」、そして正式に学生に |
大学への登録(l'inscription administrative)はネットで日時を予約するシステムになっている。締切日である今日の朝に予約してあったので出かける。やり取りも順調に進み、最後にデータベースに登録しようとしたところ、以前の学生カードにある番号が違っているという。前の大学に問い合わせて正しい番号をもらわなければ登録が終わりませんという。いやはや、事がすんなり進むことはないなあー、といつもの諦め気味の気分。支払いの場所に移って話していると、係の人がその番号は成績表に書かれてあるものだという。偶然に持っていたその表を見ると、明らかに学生証と違う番号である。彼女はその番号を登録のところに持っていき、正式に手続きが完了、新しい学生カードをいただいた。そのカードにある番号も正式の番号と違っている。まさに、いやはや、である。ちなみに、授業料は年間300ユーロと少しで、マスターの200ユーロと少しに比べると高いが、日本の学生から見るとほとんど天国だろう。
これで、このブログの自己紹介の絵にある方の名前が冠された大学のドクターの学生になった。思い返せば3年前のちょうど今頃(正確には年末)、この寒さの中、ここで学ぶことになるのかもしれないという思いを抱きながら、まだ完全には出来上がっていない構内を歩いたことが蘇ってくる。本当に不思議な巡り合わせだ。よもやこのような形で学生生活を送ることになるとは思いもよらなかった。以前の記事にも書いたが、3年前に訪問した教授との話の中で、学生になって何かをするなどというそれまで全く頭になかった可能性がほんの一瞬に浮かんだことを思い出す。フランス語のレベルを考えると、学生という立場など想像もできないところにあったのだが、それからの3年でどこかが少しずつ変わっていたのだろう。
今朝のアパルトマンでのこと。「事を丁寧に」 という言葉が浮かんでいた。何事にも全神経を注ぎこむという意味なのだろうか。これまではあまり注意していなかったことになり、突然のことで少し驚いていた。大学の登録手続きの時にも、いやはやとは思いながら冷静に解決策を探すようにしていたのはその表れだろうか。受付の方に、ところで高校卒業の年は?と聞かれて、大昔ですから、などとお互いに微笑みながら会話できたのもその効果だったのだろうか。いずれにしてもこれからに向けての言葉になりそうである。
今日も体の芯まで冷えそうな天候であったが、空は美しかった。