ケンブリッジにて |
今朝、明日からイギリスのケンブリッジで始まる会議に参加するため、北駅に向かった。ユーロスターに乗るのは初めてになる。特に乗り方を調べることもなく出かけたが、2階で出国手続きのようなことをする必要があることに気付いたのは慌てて2階に上っていく人を見た時であった。それまではカフェでゆっくりしながら、なかなか乗せてくれないなあ、と思っていたのだ。気付いた時は出発10分前。荷物検査があり、出国カード記入、出国検査と長い列。係員に出発時刻を知らせると、「デペシェ・ヴー!!」 の大きな声が聞こえてきて、最前列に来るようにとの合図。こちらに来てから電車に乗るのに走ったことはまずないが、今日は全速力で走った。丁度乗り込んだ時に動き出したので、少し気付くのが遅いと乗り過ごしていたことは間違いない。どうもこちらに来てから、囚われる心がなくなっているようだ。
北駅は昨年暮れのオステンド行きのタリスに乗ったところである。ユーロスターの座席の方が大分ゆったりしているように感じる。2時間ほどでロンドン着。意識の上ではいつも日本にいるつもりなので、ロンドンというと地球の裏側になると思っていたが、嫌になるほどの近さである。丁度4年前にロンドンからケンブリッジに向かっている。その時、空と雲の美しさに気付いたのだ。1時間足らずの移動の間、その時のことが思い出された。
ケンブリッジの駅前の景色は、4年前と何も変わっていないように見える。ただ、それを見ている方に遥々やってきたという感慨が薄れ、淡々と眺めているという違いがあるだけであった。それにしてもこちらも暑い。タクシーで予約していた大学に向かう。その学生寮に宿泊するためである。ところが、実際の学生寮はそこから20分ほど離れたところにあるという。この暑い中、折角タクシーで来たのにまた歩かなければならない。仕方ない、という感情の処理がこちらに来てから随分うまくなっている。全く気にならないのだ。運命を受け入れる如く、景色を楽しみながら歩くことにした。以下にその道行を少しだけ。
ケンブリッジ大学は今年で創立800年を迎えるようである。学生寮にはテレビやネットはない。明日からの更新はカフェに行かなければならないが、気分が向けば、ということになりそうである。