クラクフ四日目、いつもの散策 |
いつものコースで中央広場まで出る。
広場の朝は人も少なく抜けるような快晴で気持ちがよい。
これまでは景色や街に散らばる音が音楽だった。
しかし、今日は少し慣れてきたせいか iPod を耳にしていた。
バッハが周りに完全に溶け込む。
今日は第二次大戦前には6万人を超えるユダヤ人が住んでいたと言われるカジミェシュ地区 (Kazimierz) へ向かう。昨日ヴァヴェル城に向かった道を下り、さらにストラドムスカ通り (Stradomska)、クラコウスカ通り (Krakowska) を南下する。あとで地図で確認するとカジミェシュ地区を横切ったことになる。
途中、横に入り小さな広場の周りをゆっくりと歩く。
ニューヨークの研究室で働いていたポーランド系アメリカ人Kの顔が浮かんでいた。
ヴィスワ川の方に向う。
風が強い。
昨日見たのんびりとした顔とは違い、川面が苛立っている。
電車が川の上を通る。
なかなか風情がある。
気持ちが落ち着く。
それから周りを見ながら旧市街の中心に向かう。
目に留まったものをいくつか。
午後からダ・ヴィンチの 「白貂を抱く貴婦人」 (La Dame à l'hermine) を見るべくチャルトリスキ美術館 (Muzeum Czartoryskich) に向かう。しかし、なかなか見つからない。通りの端まで行ってレストランの人に聞くと目の前にあるのがそうだと言う。何のことはない、パリのポーランド書店で買った案内書が間違っていることが判明。そういうこともあるのだ。
中に入ると荷物を預けなければならないのだが、高校生の団体がいて全く動いていない。今日は諦めてデジュネにすることにした。そう云えば、朝の街には小学生、中学生、高校生、それに年配の方の団体が目に付いた。
デジュネを終えての帰り道、初日に聞いたペルーの音楽に再び出会う。
しばらくの間、公園の空気を味わいながら聞いていた。