ジャニーン・ジャンセンというヴィオロニスト Janine Jansen, violoniste hollandaise |
今日も夕方語学学校へ。いつものように話が弾む。イタリアからの女性は訛りを全く気にしないで話しているが、先生の話を一番をよく理解し、自分のことも一番理解されている印象である。こちらは考えないと理解できないようなこともすんなりと入っているようだ。ハンガリーからの若者は話好きで、とにかく自分の疑問に思っていることをどこまで知ろうとして必死に言葉にしている。やはりヨーロッパの人なのだと思わせてくれる。30代のように見えるサウジアラビアからの人は社会学のテーズに取り掛かっているとのこと。スペインの人は寡黙である。
帰りのメトロでのこと。一緒に乗り込んだ大柄の女性が前に座った。顔は丸顔で身長に比して小さく、少しだけ二重顎のようになっている。髪は胸元まで無造作に伸ばし、まん丸の金縁の眼鏡をかけて左右を悠々と見渡している。たまに視線が合う。その時、彼女は一体何を考えて周りを見回しているのだろうかという思いが湧いていた。膝の上の薄い書類入れに手をやった時、アムステルダム大学の文字が見える。オランダからの留学生なのだろうか。そう言われてみればこれまでに会ったことのあるオランダ人とどこか雰囲気が似ているところもある。とにかく非常に落ち着いていて貫禄があるところまで行っているが、まだ20代かもしれない。日本では見ることのないタイプである。こういう人間が出来上がってくる環境とは一体どういうところなのだろうか。
アパルトマンに戻りラジオをつけるとエサ・ペッカ・サロネン (Esa-Pekka Salonen、もう50歳になるとは)とパリ管(Orchestre de Paris)の演奏が流れている。中休みのインタビューでジャニーン・ジャンセンという女性が英語で応じていた。初めての人だったので調べてみると、まだ30歳と若いオランダのバイオリニストであることがわかった。
Janine Jansen (born in 1978 in Soest)
Passacaille, Suite Nº 7 HWV 432 by Haendel
今日は全くタイプの違う若きオランダ人(と独断で決めているが)のお話になった。