セミナーで予期せぬ世界が広がる |
今日は久しぶりの感じがするセミナーへ。講師はマスターの時の講義をはじめ、いろいろな会でお話を聞いているミシェル・モランジュ教授。生物学におけるメタファー(暗喩・隠喩)がテーマであった。このブログでも特に意識せずメタファーを使っている可能性があり、ひょっとすると溢れているのではないかと想像している。これは日常のことに限らず科学においても同様で、厳密に見て行くとメタファーなしに科学は成立しないのではないかと思えるほどである。その実態と功罪について30分ほど話があった後、若手の研究者のクリティークが20分、ディスカッションが約1時間続いた。
終わった後、モランジュ教授と研究テーマについて話をし、貴重なご意見と情報をいただいた。また昨年10月、長時間に亘ってお話を伺う機会に恵まれたアン・マリー・ムーランさんにも御挨拶できた。メタファーは言葉の置換であることから、メタファーを翻訳との関連でも捉えていて、何と日本の明治期における訳語のできる過程についての解説も飛び出し、驚く。今はエジプトの政情不安のためパリに戻っているが、普段はカイロをベースに研究されている。そのためか、アラブ世界の学問と日本との強い関係についても指摘されていた。関連する資料も教えていただき、あらぬ方向に世界が広がる嬉しい会になった。