アンニュイな日曜、カルティエ・ブレッソンによるブルトンに目を通す |
相変わらずの鬱陶しい空模様。
さっぱりやる気にならず、本棚の後ろの方を覗く。
その中に、アンリ・カルティエ・ブレッソンのこの本があった。
André Breton, Roi Soleil de Henri Cartier-Bresson (1995)
「太陽王、アンドレ・ブルトン」
写真とライカの持ち主の僅かな言葉からなる50ページにも満たない本だ。
手に入れたことは覚えているが、いつどこだったのか、思い出さない。
メモによると、5年ほど前にこちらに来た時のミッテラン図書館となっている。
なぜ手に入れたのかもわからない。
川辺を散策する何枚かの写真に記憶があるので、何かを感じたのかもしれない。
読むところが少ないので、こんな日には最適だ。
よもやこの日のために手に入れたわけではないだろう。
その中に、こんな言葉があった。
「彼に関する逸話には事欠かない。しかし、逸話を超えて私が恩義を感じているのは、シュルレアリスムに対してだ。なぜなら、写真の対象を無意識と偶然の瓦礫(les gravats)の中に探すよう私に教えてくれたからだ」
これを読みながら、いつどこで撮ったのかもわからない昨日の写真を思い出す。
偶然に写っていた写真に美しさを発見する時がある。
その美しさは、意図しては到底得られないものだ。