会の中日に |
二日目の昨日も晴れ上がってくれた。
今回の会は朝9時から夜6時まで通しである。
その間、昼食1時間と午前と午後に15分の休みが入っているだけ。
普通の講演は一人80分の持ち時間、50-60分発表で残りはディスカッション。
自然科学の会ではまずあり得ない時間配分。
中には早口で1時間原稿を読み続ける人もいるので聞く方も大変である。
ただ食事だけではなく、中休みの出しものも充実している。
座っているだけで、朝昼晩をたっぷり取るだけでなく、普段では考えられない間食も。
そろそろ正気に戻らなければならない。
ディナーではカナダ出身で今アメリカの大学に行っている学生さんが隣になった。
彼は大学では生物学を専攻し脳科学の実験もやったが好きになれず、この道に。
今はドクターの最終学年だったので、論文のことを聞いてみた。
彼の予定では全体で150ページくらいだと言う。
驚いてシングル・スペースかと確かめると、当然のようにダブル・スーペース。
論文は長さでないと笑っている。
だからと言ってこちらの状況は変わらないのだが、なぜか気分が楽になっていた。
彼にはカナダのフランス語教育についても聞いてみた。
小学校から大学に入るまで習うが、支障なく使える人は少ないとのこと。
日本の英語とあまり変わらないのか、という印象。
ただ、フランス語を国が認めているところが違うのだろう。
同じテーブルにはアメリカの大学で文章の書き方を教えている方も一緒になった。
現象学を勉強していて、偶にこのような会に顔を出すとのこと。
日常の何気ない繰り返しを愛しているので、その流れが途切れるのを嫌っていると話してくれた。
パリからわざわざ来た人を見てのことだろう。
私の場合は逆で、時々日常の流れを切る必要を感じているようだ。
先日のバルガス・リョサさんのように。
今回もいろいろな人からこれからにつながる興味深いお話を聞くことができている。
フランスに来てから感じている旅に出る前とは別人になって帰るという感覚を今回も味わいたいものだ。