立ち読みで熊田千佳慕さん |
「私は虫であり、虫は私である」
このことを悟ってからは、自然は自分のためにあり、自分は自然のためにあるということを、つくづく実感。そして、身のまわりのごく普通の自然が、いままで以上に大事に思えるようになりました。
こうしてようやく、自分がやっている仕事の意味を、深く理解することができ、これから進むべき道に、確信を持つことができたのです。
「七十、八十になって初めて、一行の詩が書ける」
長兄の精華がよく、励ましで言ってくれた、このリルケの言葉が、これほど身にしみたことはありませんでした。
≪不思議≫という言葉
科学者はすぐに≪なぜ≫≪どうして≫と問いかけていきます。
画家はまず≪不思議だなあ≫と感動します。
そこが画家と科学者の心の違いと言うべきでしょうか。
しかしファーブル先生は画家のような目を持ち、詩人のように感じる心の持ち主で、又、哲学者のように考える人でしたので、≪不思議≫という言葉を多く使っております。
「私は虫である」 JE SUIS UN INSECTE (2006年11月16日)