徐々に回復の土曜 |
先週の水曜にパリを離れ南に向かった。
それから10日ほどの間、新しい分野に浸っていた。
今改めて元の状態に戻ったはずだが、実は出発前の状態をもう思い出せない。
この間に新たな場所に辿り着いた感がある。
この調子で記憶喪失を続けていけば、一体どこに向かうのだろうか。
全く予想できそうにない。
今朝も快晴で、バルコンに出ると汗ばむほど暑い。
「わが子(あるいは孫)に向けた・・・」というシリーズの哲学を読んでみた。
La Philosophie expliquée à ma fille (Roger-Pol Droit)
2004年に出ているので、訳されているかもしれない。
古代にはle sage(賢者)とle savant(知者)は一体であった。ルネサンス以降、この両者が分かれ始め、世界の成り立ちを理解しようとする後者は科学へと進んでいく。この過程で世界の価値(真・善・美、幸福など)を考える前者の営みが別物として扱われるようになり、現代では二つの営みは遥か彼方に霞んで見えない距離にある。多くの問題に直面している21世紀において、この両者は再び融合されなければならないだろう。ある意味では古代ギリシャへの回帰が求められているのかもしれない。そして再び現代に戻り、改めてこの世界を見直してみる。その時、新しい視界が開けていることはないだろうか。