アナトール・フランスに触れた後、仕事を見直す |
今朝は普段読んだことがない哲学関係の国際学会からのメールを消そうとする時に目に入った一言からネットを彷徨う。次から次に繋がり、気分が盛り上がってくる。結局午前中はそれだけで終わった。
午後からその資料を持って近くのカフェへ。出掛けの郵便受けにはアナトール・フランスの本が届いていた。
Anatole France " Le jardin d'Épicure " (1895)
岩波文庫から「エピクロスの園」として出ている。
解説によると、芥川龍之介はこの本に影響を受け「侏儒の言葉」を書いたとある。
この本、もうすっかり忘れたが、生徒か学生の頃読んでいる。
カフェで早速覗いてみる。詩情を込めて謳うように書かれているが、そこに透き通った明晰な (lucide) 精神を感じる。その中に、こんな一節があった。
« Il faut, dans la vie, faire la part du hasard. Le hasard, en définitive, c'est Dieu. »
「人生においては偶然を考慮に入れなければならない。偶然とは、結局のところ神のことである」
朝のラジオ・クラシック。昨日のワールドカップで日本は驚異の勝利を上げたが、日本人の存在に関わる勝利も上げたというややユーモアを込めた声が聞こえる。マグロの漁獲を制限されている日本人を救うサバがマグロを生む技術を東京海洋大学の吉崎悟朗さんが開発したというもの。このお話は「マグロを産むサバが、次世代の漁業を作る」というインタビュー記事に詳しい。
また、ル・モンドではキルギス南部の騒動を知る。ニューヨークタイムズの記事と併せて見ていると、民族対立に見える騒動が4日ほど前から起こり、6万とも8万とも言われる難民がウズベキスタンやタジキスタンに殺到。限度を超えたとして国境が閉められ、国際的な援助を求める声、ロシアに軍隊の出動を求める声などが出ている。国連は国境を再度開くように求めている。
最初はキルギス人とウズベキスタン人の若者の対立だったようだが、軍隊が出てウズベキスタン人を殺害し始めたようである。実はこの4月に政変があり、大統領府が野党に占拠されバキエフ大統領が追われている。バキエフ氏は否定しているが、今回の騒動が人種対立ではなく政治対立であるとの見方がある。ウィキのこの項は最近の状況に追い付いている。
Le Kirghizistan, fiche d'identité (Le Monde)