懐かしのカルチエの後は、いつものセミナー |
午前中に用事があり、久し振りのカルチエに向かう。その途中、5-6年前に1週間だけ滞在したホテルが顔を出した。予想していなかっただけに嬉しくなると同時に、当時の感情が浮かんできた。こちらに来る前に旅行者として滞在した時の記憶が懐かしいのだろう。他にもそういう場所がありそうだ。今の生活空間を懐かしく思い出す時は来るのだろうか。
用事が終わった後、セミナーのため研究所へ。今日の演者は、フライブルグにあるマックス・プランク免疫生物学研究所のトマス・ベームさん。もう10年以上前になるが、この研究所を訪問したことがあり、懐かしい。彼はドイツの大学を卒業後、イギリスでトレーニングを受けているので、完全にヨーロッパの研究者になる。お話を聞きながら、一つひとつの疑問が自らの体から出ているだけではなく、その発現に至るまでの隙間(建て前のようなものか)がない。そのため、自然で何の衒いも感じない。ヨーロッパの研究者の特質を見るような思いでお話を聞いていた。それから研究する時にあるシステムに拘泥するのではなく、疑問に応じてシステムを柔軟に変えていて、スケールの大きさを感じていた。
始まる前、いつものように言葉を交わす。以前に哲学的な含みのあるレビューを見ていたので、そのことを聞いてみたが、特に意識していることはないようである。今日のテーマは、哲学という視点から言うとあまり満足させられないのではないか、とのお話であった。しかし、疑問の深さとそこに至る道の選び方という点では学ぶところが大であった。
最近感じていること。それは、セミナーに参加したり、本を読むことが、科学者にとっての実験と同じようなものではないか、というもの。そうなると、どうしてもやらなければならない実験があるのと同じように、気分に任せて読んでいるわけにはいかない本があることにも気付く。実験の場合には、予想通りの結果もあれば、裏切られることもあり、偶には嬉しい結果も出る。それと比較すると、白紙で始めた今の状況の方が、嬉しい結果が多いように感じている。ただ、これからの問題は、これまでの摘み読みを卒業して、もう少し集中して読むことができるようになるかどうかだろう。昔を振り返れば、やらざるを得ない、ポアン!なのだが、、、
今日で4月も終わり、今週でバカンスも終了。
今週は坦々とした1週間だった。